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STRAY TRAIL

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2010年 04月 16日

映画の話

TVで神代辰巳特集をやっておりました。
大学生の時、にっかつロマンポルノを大量に無作為に借りて観た記憶。
「なっつかしいなぁ〜」と。


懐かしいなあ、とか言いながら、「かみしろ」ではなく「くましろ」だと知ったのは
30代になってから。





神代辰巳  映画監督  
映画の話_c0009160_028266.jpg





”おっ、この監督はいいなあ”と思った”記憶”はあるんだけど、
題名とか内容とかさっぱり憶えておりませぬ。
今、何作品か観ながら「ああ、そうだった」とか「こんなだっけ」とか・・・・。
何十作品見て、残ったのはもう一人、石井さんだけ。後は観た記憶さえない。



監督は嫌い(でした?今も?)。
学生の頃からアフレコ大嫌いで、即興演技大嫌い、つまるところ彼の手法大嫌い。
さらに桃井かおり大嫌い、ショーケン大嫌い・・・そりゃ余計か。
桃井さんも荻原さんも作品全部に出てたわけじゃないんだけど、なんか良く出てたイメージ。
ロマンポルノシリーズで出てたのかなあ?その辺の記憶もあいまい。

「なんだよアフレコだよ、口と合ってねーじゃん、エコーとシーンが合ってないじゃん」
「無計画で雑。役者にやらせ放題の演技かよ」
などと、むかっとしながら観るんですが・・・・・・。



残る印象は、深くて良いんだよなあ。あの時代の雰囲気がものすごく出てた。
同テーマを扱ったATG系よりも雰囲気が出てた。
それとは別に画(露出)もカメラワークも好き。
アフレコで入る独り言系の鼻歌はニヒリズム(本当の意味じゃない当時の流行語)
を上手く表現してた。

実はそのどれもが低予算のために仕方なくそうだった、というオチなんですけどね。

狭い空間のはずなのに妙に説明的に引いて撮ってるシーンとか
光が射してないのに謎の照り返しで表情が見える、とか
それは今でも大嫌いな手法です。
黒澤監督でもレフ丸バレのシーンとか嫌いです。テレビドラマは論外。
ああ、もちろん、それでなければならないカテゴリーの映画もありますが。




代表的な彼の映画で頻繁に出てくる複数での徒歩移動のシーン。

監督業放棄して「なんか面白くやってみてよー」てな指示だったんじゃないか、
と思うんだけど(そんな監督は嫌い)
またそれがリアルなんだ。よろめいたりつまづいたりやってた事を飽きて途中で止めたり・・・・・。
さらにそれを役者優先&説明優先手法のアップで撮らずにかなりの引きで撮るところがまた・・・・。
そしてさらにそこにアフレコのつぶやきな歌を乗せることで、そのシーンの登場人物の
心象や主題を最大限に引き出せてたと思うんだぁ。
(ただし、遠目からのシーンなのに、アフレコのため会話音声でも音量が大きいのは
 いまだに残念感を感じますが)

ロマンポルノだけに、例のシーンについても書きたいところですけど、
それは止めとく(笑。やっぱりアフレコが効いてたかな。



そんなオレ的に大嫌いな手法使ってるくせに(!)それががっちりハマってて、
すごく良くできていて感心する、それがワタシの神代さん評価。


あらためて観ながら思うのは、当時はストーリーに惹かれたのではなくて、
シーン単体での表現シークエンスに感嘆していたんじゃないかな。




だれも食いつかないでね、「神代辰巳大研究」とか読んだわけじゃないし、
リアルタイム世代じゃないんで、時間軸の整合性はありません。
真偽のほどは・・・・。

by 3et3xp | 2010-04-16 02:41 | 雑記


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